【実話】アタシの値段~a period~
"寝る"イコール
セックスします


って意味。


さっきアタシが言った『もう寝る』は


"さっさとヤることヤりませんか"って意味。


ベッドに座って
トレーナーを脱いだ。


ベッドの上に座っているからなのか


眠気に襲われる。


早くしないと本当に眠ってしまいそうだった。



あたしはベッドを降りてリビングに向かった。




『ねぇ早くしてくんない?』


リビングに頭だけを出す形で覗き込む。


だけど隆志の姿はどこにもない。


玄関に目を向けると


さっき隆志が履いていた靴が


ないことに気づいた。



どんな靴だったかなんて覚えてないけど


綺麗に片付けてある玄関には


アタシの靴だけがポツンと残っていた。







…意味わかんない。


リビングに戻って携帯を取り出すと


リダイアル画面を開く。


発信履歴の一番上にある"斉藤隆志"。




アタシは通話ボタンを押…………そうとしてやめた。




さっき食べ残したオムライスのお皿と並んで




隆志の携帯も
アタシと一緒に置き去りにされていた。





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