夜の女に恋をした
第五章 恋人
俺は何がなんだかわからなかった。

荷物はなくなっていて、そしてノートに書かれたごめんね。の文字。

その横には水滴の染みのようなものまで出来ていた。


涙??

泣きながら俺に謝る言葉を書いたんだろうか??

でも、何故いきなり。

突然すぎて頭が全くまわらなかった。



ただ、悠嘉がいないというだけで朝のこの部屋は静かに感じ、そして暗く感じた。

悠嘉が来て2ヶ月弱、たった2ヶ月弱。

その期間でこの部屋に楽しさと明るさをもたらしてくれていたと改めて思った。



どうして・・・・消えたんだろう。


俺はノートの前から動くことすら出来なかった。



そしてふと時計を見上げるともう出社している時間になっていた。

それに慌て、急いで着替えて髪をセットし、外に出た。


もう11月の下旬。

すごく外は寒かった。



悠嘉は、寒くないんだろうか。

どこにいるんだろうか。


そのことばかりが頭の中に回っていた。


思っていた以上に俺は悠嘉に惚れていたということがわかった日でもあった。
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