お狐様と贄の私
「結構立派で手入れされている神社ね、
 まるで毎日掃除している見たいに・・・」
普通毎日掃除しないよね?
と疑問に思いながらも
段を上っていき、
賽銭箱にチャリ銭を投入れ鈴を鳴らし
手を合わせお参りをした。

それを人間では無い誰かが
見ているとも知らずに・・・・

お参りを済ました利亞は
村を探索していた。
デパートやスーパーすら無いとにかく
全面田んぼや畑ばかりだった。
それに通行人にすら会わない
この村には人がいないのか!
そう思えるほど誰もいなかった。
(そりゃ、都会と田舎の違いはあるが)
それと不思議なことに
神社もそして寺も一つも無いのだ
こんな田舎でもさっきの
恐狐神社みたいに
神社や寺の一つや二つあるはずだ。
それなのに恐狐神社以外一つも無い
あれだけお狐さま信仰と銘打っている
ホラー好きには名の知れた村であるのに、
恐狐村には恐狐神社しかないのだ。
「私の思い違い?
 いや・・・それでも・・・・」
この村どこかおかしいそう思った・・・・。
【夕方】
探索も終わり家に帰ろうとした、
その時に目に入った恐狐神社・・・・
途端に記憶の中から引っ張り出された、
「・・・恐狐村百ヶ条規則
 その五、
 恐狐神社に夕暮れまでいてはいけない
 夕暮れ以降も行ってはいけない・・・・」
夕日に照らされているからだろうか、
はたまた規則を
思い出したからであろうか、
幻想的なのに吸い込まれそうな程怪しく
不気味だった。
此処にいてはいけない
早く帰らなければ・・・・
そう咄嗟に思い足早にそこを去った。

神社前を去った後
数分程度で家に着いた。
「恐狐神社からこんなに・・・・
 近かったんだ・・・・私の家・・・」
そうつぶやいて荷物を片付けた。
その後規則その四の通りに祠に
お供え物を置き、手を合わせておいた。
そうこうしているうちに
両親が帰ってきて、
[疲れたから先に寝る」と言い
床に就いた。


第二夜 引越し 終
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