桜の下で ~幕末純愛~
「おっしゃ。時間ピッタリ。着いたぜぃ」

ナゼで三人でココに?どうせなら総司と二人で来たかった…。

「総司、こういうトコ来た事ないだろ?動物園も遊園地も両方一気にまわれるんだぜ」

…何で哲がそんな事を言うの?もしかして総司の正体知ってる?

「哲…知ってる?」

「は?何が?」

知らない?そうだよね、知ってる訳ない。

当の沖田は初めてみる場所に興奮気味の様だ。

「哲くん。此処は何が出来る場ですか?」

「動物園は動物がいっぱいいんだよ。で、遊園地は乗り物がいっぱいあんだよ」

哲…説明してる様でしてない気がする。

そんな説明でも沖田は感心した様に聞いていた。

「何だよ、桜夜。アホ面して。楽しめよ。んで、どっちから行く?」

アホ面って…

「じゃ、動物園」

午前中は動物園を見て回り、午後は遊園地という事になった。

沖田は驚きっぱなしで遊園地の途中で疲れ果ててしまった。ベンチに座り、沖田にお茶を渡す。

「大丈夫?」

「ええ。流石に少し疲れました。私は休んでますから二人で行ってください」

嫌です!

「ううん。私も歩き疲れたし、みんなで休憩しようよ」

ベンチに座り春の日差しを浴びていた。

「あったかくなったね」

「そう…ですね」

そんな中でも哲也はお土産を探しに行ったり、アイスを買いに行ったりと忙しなかった。どれだけ座っていたのか…陽は傾き始めていた。

「おい、いつまで話してんだよ」

どこから戻ってきたのか、哲也が声をかける。

え?そんなに時間経ってた?

「では、帰りましょうか」

沖田が立ち上がる。

もう帰るのか…

「おい、まだいっこ残ってんじゃんか」

帰ろうとした沖田を哲也が呼び止める。

「ほら、あれだ」

指を差した先は―

あ、観覧車…

哲也が総司の腕を引っ張り、観覧車まで連れていく。

夕暮れの観覧車乗り場はカップルばかりが並んでいた。

…3人で観覧車?遠慮したいカモ。

すると突然、哲也が携帯を取り出し何か話している。

「わりぃな、急用」

そう言うと走って行ってしまった。

え?今、哲の携帯、鳴ってた?
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