桜の下で ~幕末純愛~
それからの日も桜夜は横になりながら過ごした。

私ってダメだな。いつまでも寝てていいんだろうか。

「桜夜ちゃん、どうだ?」

原田が様子を見に来た。

最近、皆勝手に入ってくるんだから…。まぁ、いいけどさぁ。

「はい。だいぶ」

「そうか、そりゃよかった」

布団の横に原田が座る。

左之さんに聞いてみようかな。

「左之さん。私くらいの傷って皆さんだとどのくらいで普通の生活に戻るんですか?」

「んー、まぁ、そろそろだな」

やっぱりそうなんだ。私も起きなきゃ。

「桜夜ちゃんの時代は刀傷なんてないんだろ?刀傷を嘗めちゃいけねぇよ」

まぁ、確かに。刀なんて持ってたら捕まるし。

桜夜はコクンと頷く。

「自分が辛いなら無茶しねぇ方がいい。誰かと比べる事はないさ」

私が勝手に斬られてきたのに…ここの人達は何で優しくしてくれるんだろう。

でも…そろそろ総司達が戻って来るんじゃ?

「大阪から皆さんが帰るのっていつ頃ですか?いくら何でもその頃には普通にしてないと…」

すると原田は困った顔をした。

「桜夜ちゃんがまだ痛そうだったからなぁ。総司には素直に殺られる覚悟をしてたんだが…申の刻辺りには着きそうなんだよ」

申の刻って?まだしっかり覚えきってないんだよね。えっと確か…午後3時か4時頃だっけ?

原田に腕時計を取ってもらう。

じゅ、10時!最短で5時間しかないじゃない!

「こりゃ、何だ?」

原田は腕時計を見て首をかしげていたがそんな事を構ってる場合ではない。

「左之さんっ。土方さんと平助くんとナミさん、呼べる?それから新しいサラシも」

原田に頼み、皆を呼んでもらった。

「呼びつけるたぁ、随分なご身分じゃねぇか」

ひじぃ…嫌味に付き合ってらんないからっ。

「すみません、来ていただいて。もうすぐ皆さんが戻るって聞いたんです」

土方ら四人は複雑そうな顔をする。

「寝ながら考えてたんです。着物は私が木登りでもして引っ掻けて破けた事にしてください。で、ナミさんに頂いた。傷はサラシで強めに締めて下さい。あとは鎮痛剤でごまかします!」

「隠しきれるのか?」

土方が聞く。

「分かりません。でも隠し通します」
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