覚めない微熱だけ、もてあましながら
9、三股をかける女~愛子の場合~〈①深夜のドライブ編〉


〈9、三股をかける女~愛子の場合~〈①深夜のドライブ編~〉〉



好きな人が三人もいるなんて犯罪ですか?

贅沢ですか?



それとも……



ただ気が多いだけの男好きなだけですか?

好きなんです、三人共。一人なんて選べない。

みんな……好きなんです。



愛子はブログに、こう書き込んだ。しばらく画面に見入っていた。

しかし、削除してしまった。

反感を食らいそうで怖かったから。



明のことを考えると同時に裕也の顔が浮かんでくる。

そして、裕也のことを考えると、まことの顔が浮かんでくる……。

誰か一人を思い浮かべることはできない。



そういえば、夏野裕也に告白の返事をまだしていない。

あんなチャラチャラした尻軽男なんて最初から相手にしないつもりだった。

あんな奴……。

だって30だよ? 30にもなってあのヘラヘラ振り!

“いや、うん……なら俺とつきあう?”

あの時のアイツの告白を……

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