覚めない微熱だけ、もてあましながら
3、仕掛けた罠、仕掛けられた罠~第一のターゲット~


〈3、仕掛けた罠、仕掛けられた罠~第一のターゲット~〉



月曜日――



また一週間がはじまった。週のはじまり……ダルくて仕方ない。

今朝、温かい布団から出られなくて何度休もうと思ったことか……。ベッドに根っこが生えたみたいに体が拒絶反応を起こしている。

あと五分……いや一分……自分をあまやかし少しでもラクな大好きな場所にいたいと思う……。

“面倒くさい……” 心の中でそう強く思いながら仕方なく支度をする。

いつも乗っている時刻の満員電車には間に合った……。ギュウギュウに押され乗り込むも何度逆へ引きかえそうとしたことかわからない。

考えているうちに目的地の駅に着いてしまった。

“会社に行きたくない……” 何時間も前からずっと同じ台詞がリフレインされながら重く遅い足取りで会社に着いた。

自社ビルの自動ドアをくぐりエレベーターを待つ。

“着いてしまった……”
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