きみの世界は。

外に出ると、
春一番の風が吹いた。

少しだけ暖かくて、
でもまだ少しだけ冷たい。


その風は、
まさしく春色だった。


まおの長い髪を巻き上げ、
どこか遠くに去っていった。


「あったかいね」
 

幸せそうに、俺の顔を見上げた。


四季で例えるならば

こいつはいつだって
春色なのかもしれない。

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