きみの世界は。


「よし、帰るか」

「うん」
 

まおは頷き、
水溜りを濁らさないように――

――空を掻き消さないように、


そっと飛び跳ねて
俺のところ戻ってきた。


ふわりと風が生まれる。


心地よいくらいの春風。

眠ってしまいそうなくらいの
地球の吐息。
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