きみの世界は。


「手、つなぐ?」
 

まおはそっと
手を差し伸べた。


その小さな手は
ほのかに湿っている。

さっき空を飛んだとき、
掴んだのだろうか。


空のカケラを。


「おま…ぐしょぐしょだろ?」

「ちゃきだって一緒じゃんね」
 

そう言って濡れた手で、
まおは強引に握り締めた。


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