黒き手が…
「あれぇ、ミナ。早いのね」

「コンバンワ」

アキとユマがやってきた。

二人の後ろには、大人しそうな少女がいる。

同じ制服を着ているので、同じ学校であることは分かるが、あまり見たことのある顔じゃない。

「そのコは?」

「ああ、隣のクラスのコ。フーカ」

「こっこんばんわ」

メガネをかけ、長い髪を三つ編みにしているフーカはオドオドしながら頭を下げてきた。

明らかに、自らの意思で来たコではない。

「アキ、ユマ。無理やり連れて来たでしょ?」

「違うよ。ちゃんと誘って連れて来たんだよ」

「そうだよぉ。人聞きの悪いこと、言わないで」

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