俺が大人になった冬
たった6畳の部屋に男6人。ちょっとムサくて笑える。

「ゲンって結構几帳面なんだな。部屋きれいにしてんじゃん」

「そうでもねぇけど」

「一人暮らしだと、女連れ込み放題だろ!」

「ば~か! そんなことしねぇよ」

「女の写真とか飾ってねぇの?」

「あるかよ!」

一人暮らしは今のところ俺1人ということもあり、皆興味津々で色んなことを聞いてくる。

元々俺はあまり自分のことを話すのが好きではない。こういうふうに突っ込まれるは正直ちょっと苦手だ。

「ゲンさ、今まで特定の彼女って聞いたことないけど、付き合ってる奴とかいねぇの?」

「あ! そうだよな! 聞いたことねぇ」

「コイツ、何気に一番モテんのにな」

「秘密主義か?」

「カラオケの所にいた隣の部屋の女見た? 明らかにゲンに興味を示してたぞ!」

「フェロモン出まくりだな!」

俺の女関係の話をまるで知らないヒサ以外の4人は、俺の反応など関係なく勝手に盛り上がり始める。
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