俺が大人になった冬
ネットの『モラハラ』に関するページを見た彼女は、あまりに自分の状況や、自分の旦那と酷似している『モラハラ』の実態に驚いていた。
帰り際に「しばらく連絡を控えたい」と言い残した彼女から電話があったのは、それから1週間後のことだった。
「私、決めたわ。離婚すること」
電話に出ると、唐突にそう言われた。
もしかしたらこの1週間のあいだに、彼女の意思を固めるような酷い出来事があったのかもしれないと思うと身震いした。
「そっか……」
俺は、複雑な気持ちで返事をした。
彼女が離婚を決めたことは、彼女にとっても、正直俺にとっても喜ばしいことだ。
しかし、離婚を切り出し、実際に離婚に至るまでには、精神的にも肉体的にもとても辛い思いをしなければならない。親の離婚を間近で見て、その大変さが分かるだけに心配もあった。
モラハラ夫が相手であればなおさらのこと。
彼女はあの攻撃に堪えられるのだろうか……