俺が大人になった冬
「大丈夫か?」

「え?」

「俺、あんたの側にいてやれないから」

俺が出ていったところで、なんの役にも立てないし、かえって事を荒立てることになる。

「大丈夫よ。元くんのお陰ではっきり分かったから」

「そっか」

「……元くん」

「ん?」

「どれぐらいかかるか分からないし、どうなるかも分からないから」

「うん」

「だから、私のこと待たないで……」

いきなり告げられたその言葉は、とてもショックだった。

彼女が俺を想って言ってくれていることは分かる。でも「もう会わない」と別れを告げられた気がしてひどく悲しくなった。

「きちんと落ち着いたら連絡はするけれど……でも、好きな人ができたら、気にしなくていいから……」

「ば、馬鹿なこと言うなよ! なんでそんなこと言うんだよ!」

最近俺はとても涙もろい。感情が高ぶり、気付けばまた、じんわりと涙が上がってきてしまっていた。

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