俺が大人になった冬
俺はこのとき「もらった給料でこれ買ったんだ」と、言いながら準備しておいたプレゼントを彼女の前に出そうと考えた。
話の流れ上、このタイミング出すのが一番自然だと思ったのだ。
しかし、いざとなると経験のなさ(女から物を貰ったことはあっても、あげた経験はない)から急に照れ臭くなってなかなか切り出せず……結局プレゼントを渡せないまま食事を終えてしまい、食器を片付け2人で組み立てたケーキを食べ始めてもまだ言い出せずにいた。
「あ、これ旨いな。イチゴみたいな匂いがする」
「この紅茶ね、毎年期間限定でこの時期に出るのよ。元くんが気に入ってくれたなら、次に来るときにたくさん持ってくるわね。紅茶を飲むと免疫力が高まって、風邪をひきにくくなるっていうから」
「マジで?」
「前にお昼の情報番組でそう言っていたもの」
「昼の情報番組!? なんか嘘くせぇな」
「そんなことないわよ」
何気ない話をして笑いながらも、心の中ではプレゼントを渡すことばかり考えていた。
話の流れ上、このタイミング出すのが一番自然だと思ったのだ。
しかし、いざとなると経験のなさ(女から物を貰ったことはあっても、あげた経験はない)から急に照れ臭くなってなかなか切り出せず……結局プレゼントを渡せないまま食事を終えてしまい、食器を片付け2人で組み立てたケーキを食べ始めてもまだ言い出せずにいた。
「あ、これ旨いな。イチゴみたいな匂いがする」
「この紅茶ね、毎年期間限定でこの時期に出るのよ。元くんが気に入ってくれたなら、次に来るときにたくさん持ってくるわね。紅茶を飲むと免疫力が高まって、風邪をひきにくくなるっていうから」
「マジで?」
「前にお昼の情報番組でそう言っていたもの」
「昼の情報番組!? なんか嘘くせぇな」
「そんなことないわよ」
何気ない話をして笑いながらも、心の中ではプレゼントを渡すことばかり考えていた。