Sky Blue-同じ空の下-


「碧…??」

誰もいない教室に、誰かの声が響いた。


「………」

必死に声の主を探しても、見つからない。


「碧…??何してんの??」
あぁ、分かった。
2年間、忘れることのなかった優しく温かい声。

「け、慧??」

呼んでも、返事が無かった。


「泣いてるのか。まったく、碧はいつまで経っても泣き虫だね。いい加減に卒業したら??」

気付いたら、慧は私の隣にいた。

「どした、」


「………ゴメン、今は何も聞かず、抱きしめて。」
一生で一度の貴方へのワガママだから。


そうすると、何も言わず彼は抱きしめてくれた。


「ありがと。」


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