終わらない
この日を境に

急激に沙希との距離が近づいた

二人で一緒の時間を過ごせば過ごす程

学校へは行かなくなっていった。


別々の高校に通っていた事もあるけれど

この頃の私達には

将来を夢見る場所でも

何かを学ぶ場所でもなかったからです。


二人でいると一人ではなかった世界が

沢山広がった。

夜中に家を抜け出して

毎日、当てもなく出掛けた。

ほとんどの人が寝静まった

静かな不思議な空間が楽しかった

誰にも邪魔されず、好奇な目もない

私達だけの時間


警察に補導されたりはしてけれど

別に悪い事をしていた訳でもなく

親が呼び出しされる程度で

家に帰してくれる


何度も何度も何度も


そんな夜を繰り返した。


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