狐の眠り姫
八月
俺は、少しずつ罪の罪悪感を感じていた。
葉と初めて出会った日。
彼女の名前を使って俺に恋心を抱くよう、俺は葉に術をかけた。
もし術が解けたらという恐怖。
君は、俺を拒むだろうか。
親の血肉を食い、打算で君に近づいた。
彼女は俺を許さないだろう。
好いた相手がいたかもしれない。
それでも、後少しだけ夢が見たいと願う。
葉、この夏が終わったら、俺は君を解放しよう。
だから、楽しい芝居にちょっと付き合ってくれ。
< 27 / 47 >

この作品をシェア

pagetop