「え…………

なんで………?」




なんで助けたの?


そう言いたいのに、



「話はあとだ」



先生はそう短く言うと、


あたしを軽々と抱き上げて、屋上の柵の中へと戻ってしまった。






熱、上がってきたのかも…………



朦朧とする意識のなか、必死に言葉を探す。




「降ろして……」





とりあえず、抱えられてるこの状態が嫌だった。





「いいから黙ってろ。


苦しいのに無理して喋るな。


それと暴れるな。
落ちるぞ」




抵抗できないあたしを抱きかかえたまま、エレベーターにのる。





ここって…………





「病室………?」





先生は器用にドアを開けて、あたしをそっとベッドに降ろした。




「何すんのよ!!
なんで助けたの!?


あたしはもう生きてたって意味ないの!!

あたしに構わないでよ!」




すごい勢いで睨みつけた。




なのに…………




「点滴持ってきて。

うん、あとモニターも。

よろしく。」



あたしのことは全く無視して、ナースコールしてる。




もう我慢の限界!!





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