絆
コンコンッ
「失礼します」
ノックの音で、全ての思考が停止した。
時計の針は、7時を少し過ぎたとこだった。
看護師さんが入ってきて、ベッドへ歩み寄ってくる。
「おはようございます。
体調いかがですか?」
笑顔で聞かれる。
「あ、はい…
昨日より、いいです…」
「でも、あまり顔色良くないですね…
じゃ、ちょっと熱と脈測りましょうね」
あたしは、渡された体温計を脇に挟んだ。
じっとして、脈が測り終えられるのを待つ。
途中、鳴った体温計を取り出す。
「少し速いですね…
見せて貰えますか?」
ゆっくりと、体温計を手渡した。
「ん…
ちょっと高めですね。
今先生回って来ますから、楽にして待ってて下さい」