《短編》ヤンキーの姉
ヤンキーの姉

人質

何でこんなことになるんだろう。

あたしは全く関係ないはずなのに。


何度も頭の中で繰り返し、あたしは三十回目のため息をついた。




辺りは昼間だって言うのに薄暗い。

それもそうだ。

だってここは廃ビルの中なんだから。


コンクリートの壁は、窓だった場所から入ってくる光を反射しない。

電気なんか点くわけもないし、薄暗いのは当然。
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