《短編》ヤンキーの姉
暗くて、それだけでも気が滅入るのに身動きが取れないから尚更嫌な感じ。


柱にロープでくくりつけられてしばらくが経つ。

最初は冷たかった所々鉄骨がむき出しになっているコンクリートの柱もあたしの体温でちょっと温かくなってきた。



本当に、何であたしがこんな目に合わなきゃなんないのよ。



と、今度は三十一回目のため息をついた。



「ねーちゃんそのため息何回目だよ? 聞いてるこっちがうんざりしてくるっての」

あたしをこんなところに縛り付けた奴らの一人がイライラした様子で突っかかってきた。
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