《短編》ヤンキーの姉
でもそんな二人の話なんて聞いていないかのように、英治は二人を睨みつけながら歩いて近付いてくる。


「てめぇら、覚悟しろよ……?」

今まで聞いたことがないような、ドスのきいた低い声。


その声に驚いて、あたしは息を飲んだ。



「何言ってんだよ。覚悟すんのはてめぇだろ!?」

そう声を荒げて英治に殴りかかって行ったのは茶髪の男。


あたしは英治が殴られると思って思わず目を閉じた。


でも次に聞こえた呻き声は英治の声じゃなかった。
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