《短編》ヤンキーの姉
赤髪男も異変に気付き、音のした方を見る。

あたしも同じくそっち――英治の方を見た。



さっきまで二人立っていたのに今は一人しか立っていない。

倒れているのは黒髪。
口ピアスの男だ。


英治は無言で近付いて来た。

表情を見なくても分かる。

本気で――これ以上はないほど本気で怒っている。


ピリピリとした空気があたしにも分かった。

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