《短編》ヤンキーの姉
そいつの髪は真っ赤で、耳には何個もシルバーピアスをつけている。

目つきも悪くて睨まれると怖い。


他にもここに五人いるけど、皆似たような出で立ち。

……要は不良、ヤンキーだ。


「ったく。エイジの奴まだ来ねぇのかよ? せっかくアイツの大事なねーちゃん人質にしたっつーのに」

赤い髪の男がそう言って他の奴らを見回すと、その中の茶髪の男が携帯片手に答える。


「もうそろそろ来るはずっスよ。ちゃんと呼び出しはしましたから」

それを聞いた赤髪男は「そーか」と素っ気なく返して一度沈黙した。


でも……。
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