ふたりのかみさま
ふたりのかみさま
ある所に
二人の神様が居ました。
北の神様はお金持ちで
沢山の子供を連れていました。

南の神様は貧乏ですが
やっぱり沢山の子供を連れていました。


北の神様の畑には
いつも沢山の食べ物があって
子供達ははいつもお腹いっぱい食べることができました
しかし、北の国はとても寒かったので
子供達はいつも、もっと暖かいコートを欲しがって文句ばかり言っていました。

子供達は、北の神様がもっともっと暖かいコートをくれないことがとても不満でした。
子供達は神様が大嫌いでした。



一方
南の神様の家は
いつもとても貧乏なので
子供達はいつもおなかが空いていました。

それどころか
南の神様自身もいつもおなかが空いていたので
南の神様は
時折子供達を食べていました

そのため、子供達は神様が怖くてしかたありません


あるとき
北の子供達は、南の子供が神様に食べられていると聞きました。
北の子供達はとても驚いたので、
北の神様に頼みました

「南の神様が、子供を食べるのを止めさせておくれ」

ところが北の神様は首を傾げるばかり
何もしてくれません

仕方が無いので
業を煮やした一人の北の子供が
自ら南の神様に会いに行きました

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