咲は学校を飛び出した。
自然と涙が溢れてくる。
修平も帰ったようでグラウンドには誰の姿もなかった。




咲は家までの道を走って帰った。
家へついても「ただいま」の一言も言わずに部屋へ入り泣き崩れた。




♪♪♪♪♪




携帯の着信音が鳴る。
相手は修平だ。




『今日部活遅く終わったの?』




咲は修平に中田先輩にされた事を叫びたい気持ちで一杯だった。
だけど2人で練習していた咲にも落ち度はあると思い言えなかった。
 
 
 
「みんなで練習してたんだ」



咲はそう返信した。



♪♪♪♪♪



次は電話が鳴った。



咲は息を整え電話に出た。



「もしもし」



『あっ 俺 咲さ河野にいじめられたりしてない?』



「大丈夫だよ」



いじめられてる事実はあるけど修平にこれ以上心配とかをかけたくない気持ちでそう答えるのが精一杯だった。



『そっか ならいいけどな』



「うん 私は大丈夫だから心配しなくていいよ」



『おぉ でも何かあったら言えよ!?』



「ありがとう」



『おぉ じゃあ明日学校でな おやすみ』



「うん おやすみ」



電話を切っても中田先輩との光景が目に浮かび涙が溢れてしまう。
その夜はご飯も食べる気がなく泣いたまま部屋で過ごした。



気づいたら泣き疲れて寝てしまったのか朝になっていた。



カーテン越しに入る日差しで目が覚めた。



時計を見ると10時を過ぎたとこだった。



携帯には修平から何度もメールの着歴が残っていた。



咲は携帯を開きメールを読んだ。



『咲 何かあった?』



『お~い さき~??』



『具合悪いのか?』



そんなメールばかりだった。



昨日の事もあり今日は学校へ行きたくない気分だった。
咲は学校を休む事にした。



「ちょっと風邪ひいたみたい 今日は学校休むね」



咲はそう返信した。  
< 99 / 172 >

この作品をシェア

pagetop