マイスィートアフタヌーン
 まだきちんと目覚めてはいないのだから、実りのない発言も許していただきたい。

書きかけの手紙に視線を落としたメアリーアンに、そんな発言こそ受け止める余裕はなさそうだ。

余裕。
欠けているものはそれだった。

どんなことでもなんとか笑って越えてしまいそうな、彼女の広さが消えている。


 不適切な言への(感じなくとも良い)罪滅ぼしの意もあって、フレディはつい言ってしまう(あるいはまだきちんと目覚めてはいなかったためかもしれない)。


「力を貸そうか。僕にできることなら」

「それは、……困ったわ。レスリーには貸しがあるけれど、あなたには借りばかりだし……」


「貸し借りではなく、友達になら僕は頼まれれば手を貸すよ」
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