マイスィートアフタヌーン
「差し出がましいようですが、留守をいぶかしむ生徒の件も思えばイレギュラーは少ない方が得策かと思います。捜索は全力でかかりますから、信頼してお待ちください。二、三日中にははっきりした返答をお送りできますよ」


ひたすら謙虚な姿勢は、もちろんお気に召している。鼻ではなく今度は口から空気を逃がし、それは感嘆の意であった。

ミセス・ミルトンは猫撫でにも近い調子の声を出し、


「こちらが持ち込んだ面倒ですのに、私の立場まで考えてくださって。大した回答ですわ、フィデリティさん」

それほどでも。

フレディの顔に謙遜を見て、それにもまた満足を得たようだ。


「生徒たちのためにも学院に戻ることにしますわ。信頼できる方に出会うことができて安心しましたしね。あなた、コクラン刑事の代理だとおっしゃったわね? あなたも直接の面識はありますの? ミス・――シモンズとは」
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