雪恋〜ゲレンデで恋して〜
ドアを開ける音がして、顔をあげるとシンくんが何かを持って入ってきた。


その手にはいつもあたしが飲んでるミルクティーが握られていた。


「はい。体冷えてるから飲みな。」


そう優しく手渡してくれた。


「…ありがとう。」


そう言い、受けとる。


ベッドから毛布を取ってあたしにかけて、隣に座った。


しばらく無言だった。



「遥…そんなに冷たくなるまでどうしてあんなところいた?俺、マジ心配したんだけど…」


きっと怒ってる。


でもシンくんは小さい子に聞くように優しい口調だった。


「…ごめんなさい。」


なんて言っていいかわからず、謝ることしかできない。


「謝んなくていいから…理由あるんだろ?じゃなきゃ遥がこんなことするわけないよな?俺には言えない?」


あくまでも優しく言ってくるシンくん。


「…シンくん…なんでウソついたの?」


あたしから出た言葉…


そう言うのが精一杯だった。


その言葉を口にしたら、涙が溢れて言葉が続かない。

なんで先輩となんてウソついたの?あの女の人は誰?誘われたら誰とでも行くの?


聞きたいことはたくさんあるのに…



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