雪恋〜ゲレンデで恋して〜
嫉妬のあとは…
起きると、シンくんの腕の中だった…

頭の辺りからシンくんの寝息が聞こえる。


あたしは身動きが取れず…起きようとそっとお腹にある腕を外す…


「ん…」


シンくんの寝言と同時にギュッときつく抱き締められる。


うっ…身動きが取れない…でもそろそろ起きないとマズイよね…


時間がわからないけど、バイトだし…


顔だけ少し上を向いてみた。初めて見るシンくんの寝顔はスッとしてて見とれてしまう。かっこいいんだけどなんか可愛くも感じた。


起きる気配のないシンくんにそっと声をかけた。


「シンくん?朝だよ?」


…反応なし。


「シンくん!」


ちょっと大きい声で言ってみた。


「ん〜…ん?」


寝ぼけた感じで唸ったあと、目を開けた。


「おはようシンくん。」


そう言うと、


「おはよう遥。」


そう言って、少し上を向いていたあたしにチュッとしてきた。


男の子と一緒に寝たのも、おはようのキスも初めてのあたしはそれだけで心臓が破裂しそうだった。


「…もうちょっとこうしてたい。」


そう言って、起きようとしないシンくん。


あたしも…そう思った…。

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