Smoke ♥ Kiss


ちょうどよく日直だったみたいで、先生は職員室にひとりでいた。


「おはようございます。あの、あたし....」

「お。朝から俺に会いに来てくれたの?」

「いや、じゃなくって....」

「ちょうどいいや、プリントまとめんの手伝って?」


なぜか、勝手な流れで手伝うことになってる?

戸惑いつつ、ホチキスでプリントをまとめてたら、いつの間にか先生が隣にいた。


「俺もやるよ」

「あ。ありがとうございます」


無言で作業していて、ふと、思い出した。
断りに来たんだった。

「先生、あたし...」

「恭祐って呼べって」

「え、でも、先生、あたし...」

先生とは付き合えません、って言おうとしたら、唇がふさがれてた。



「恭祐って呼ばないと、その口塞ぐから」

狼みたいにイジワルな微笑みは、ちょっとだけカッコイイ気がした。








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