Smoke ♥ Kiss
抑えろ、堪えるんだ、俺!!
タバコを取り出しかけて、慌ててしまった。
「先生、タバコやめたんですか?」
「あぁ。毎日眠くてしょうがねぇよ」
わざと明るく言ってみたら、マジで眠気が襲ってきた。
「.....なんかあったんですか?」
「え?」
珍しいな、こいつが心配なんて。
「先生、変。らしくないです」
こいつでも気付くんだな。
けど、お前のため。いや、俺自身のためなんだ。
.....もうダメなのか?
ふと、そう感じた。
俺は無理をしてるから、いつか確実に戻ってしまう。
戻ったときに結局嫌われてしまうなら、
こいつを傷つけないうちに.......。
「.....やっぱダメだよな。そうだよな」
鈴音の頭の上にはてなが浮かんでる。
今なら、引き返せるはず。
たとえこれが、俺の始めての"本気"だったとしても。
いくら辛くて苦しい決断だとしても。