Smoke ♥ Kiss



「ごめんな」なんて、もう言う気になれなかった。

俺自身が、覚悟していたよりも大きなダメージを受けていたから。



やっと、鈴音が口を開いた。


「.....嘘、でしょう?」


固まった顔を笑顔に変えようと必死になっている鈴音を見て、改めて重大な決意だったと感じた。


もうこれ以上、こいつを傷つけられない。



「今日はもう、帰れ」


俺に出来るせめてもの気遣いは、「気をつけて」の一言だけだった。












< 72 / 109 >

この作品をシェア

pagetop