Smoke ♥ Kiss
俺はそこで、嘘をついた。
同時に自分自身にも向けて。
「......俺、好きな人ができたんだ」
これは本当。
「こんなに好きになるなんて思わなくてさ、初めて本気になった」
これも本当。
「だから、別れ....ないか?」
この気持ちは、真っ赤な嘘。
「もともと"教師と生徒"なんて成り立たなかったんだよ。.....出来心で手なんか出して、悪かったな」
.....最悪だ。
こんなの、真っ赤な嘘なのに。
素直すぎるこいつが、絶対信じるとわかっていて。
悲しすぎる。
そして哀れすぎる。
俺自身が、何より、鈴音が。