昼間の月は淡くて白い

*『その時はせめて二人一緒に』

何処かで聞こえる

グランギニョルの幕開けの

向かった先に

あなたはいますか?


どれだけ周りが満たされていても

あなたがいないだけで

何処までも虚ろで

どれだけ欠けていたって

あなたがいるだけで

充分に満たされてる


どうしてあなたなの?

どうしてもあなたが良くて

どうして逢ってしまった?

逢えたことがこんなに嬉しい

ただ狭い箱庭の中の"アタリマエ"が

こんなにも厚い壁を差し向ける

臆病な僕には

立ち向かう勇気がなくて

壁の向こうのあなたを

静かに想う事しか出来ない

想って

想い続けて

その最果てに狂うなら

あなたへの想いで狂うことが出来るなら

こんな幸せなことはないのに


何処かで聞こえる

グランギニョルの幕開けの

向かった先に

あなたがいるなら

躊躇う事なく

あなたの元へ行かせてください

どんなに悲しい"残酷劇"でも

あなたの元で

あなたのために狂うなら




それほどの幸せはきっとないから


*
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