昼間の月は淡くて白い

*『安らかに』

船乗りは夜空を渡る

星々を掻き分けて

闇をこぐ

安らかに眠る町並みを

穏やかに見守って

この世界のホントウは

あまりに哀しいから

今日も船乗りは

優しい夢を振り撒く

ホントウは冷たいから

ずっと夢を振り撒く

そうすればきっと

町の涙は減るから

闇夜にきらめくのは

星だけで充分
< 15 / 16 >

この作品をシェア

pagetop