昼間の月は淡くて白い

*『培築』

美しく生きる事が出来なくとも

見苦しくない生き方を選ぶと

言ってもやはり人だから

生きる姿は醜くて

憐れで

どうしようもなく愛おしい


どうして捨てること出来ようか

どうして憎むこと出来ようか

捨てど憎めどその胸に

光るその珠ひたすら磨け


ひそかに護るその珠に

誰も気付かないなんてあるはずなくて

ひそかに励むその姿を

誰も見てないなんてあるはずなくて


きっとどこかで誰かの目に

触れている事を信じて進め


その時実る事叶わなくとも

その時望む事叶わなくとも

真っ直ぐに想う事こそ

真っ直ぐに努む事こそ

強い確かな足跡を

確かにそこに残すのだから


*
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