きみに守られて
大人の力は無言の暴力に変わり、
無理やり掴んだユリツキの手を
父親の歳に近い男は、
自分の男根を握らせ
その手の上から自分の両手で覆い
狂暴な力で烈しく
男根を上下左右と刺激した。

身が凍る程の力が
手のひらを握りつぶさんばかりに
加えられて、
握った物の硬さが不気味だった。

数分の間、異様な時間が流れる。

ナメクジが
自分の体の中を這い回るような感覚、
血管が蛆虫で埋まるような錯覚。

今まで味わった事の無い数分間は
大人の情けない、漏れた吐息と、
生暖かい粘り気のある”ノリ”の感触。

鼻をつく嗅いだことが無い異臭とで
それは終了した。

その日から父親の友人は
事或る事に家に泊まり
ユリツキの布団で眠る。

事は大胆になり、
臭い息を耳元に近づけ
「強く握れ!」
「早く動かせ!」
「もっと早く動かせ!」と、
命令するようになっていった。

< 104 / 198 >

この作品をシェア

pagetop