アイドルになら殺されてもいい!
びくっとなって振り向くと
先ほどまでの表情とはまるで違う彼女が仁王立ち。




「どこ行くの?」



短い言葉で指すように詰問する彼女。
包丁を持ちゆっくりとこちらに近づいてくる。



その様子に思わず後ずさりする俺。



彼女は俺の目の前30センチほどまで近づくと
包丁を顔の横に構えた。



背後では鍋が煮えたぎる音が聞こえる。




「ひとつだけお願いしてもいいかな?」




彼女の目線が俺をロックしてはなれない。




「お願いだから…この家のトイレは使っちゃダメ!



もう一度言うわよ。
くれぐれもトイレを使わないで」
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