黒王子と銀の姫
両手で自分の頬をぱちんと叩いた。
諦めちゃだめ!
鎖をたくし上げ、軽く引っ張ってみた。
セナが戻ってきたら、この鎖で首を絞めてやるのはどうだろう?
油断させておいて、近づいてきたところをこうやって……。
相手がいることを想定して、あれこれやってみる。
目の前に大きな黒い箱が置かれていることに気づいたのはその時だ。
黒く塗られているせいで、壁に同化していて気づかなかった。
ユーリは吸い寄せられるようにその箱に近づいた。
箱の周囲に干からびて茶色くなった花びらが落ちていた。
「ポプリ?」
つまみあげたそれからは、良い香りがした。
それ以上に強い香りが、箱の方からただよってくる。
上蓋が持ち上がるようになっている。
鍵はついていないようだ。
諦めちゃだめ!
鎖をたくし上げ、軽く引っ張ってみた。
セナが戻ってきたら、この鎖で首を絞めてやるのはどうだろう?
油断させておいて、近づいてきたところをこうやって……。
相手がいることを想定して、あれこれやってみる。
目の前に大きな黒い箱が置かれていることに気づいたのはその時だ。
黒く塗られているせいで、壁に同化していて気づかなかった。
ユーリは吸い寄せられるようにその箱に近づいた。
箱の周囲に干からびて茶色くなった花びらが落ちていた。
「ポプリ?」
つまみあげたそれからは、良い香りがした。
それ以上に強い香りが、箱の方からただよってくる。
上蓋が持ち上がるようになっている。
鍵はついていないようだ。