I♥DOLL
今まで仲間はずれされる事なかった。


あたしの周りにはいつもたくさん人がいたし。


といっても、たぶん外見だけで近づいてきたヤツばっかりだけど。


それでもそんなヤツでもいないとさびしく感じるもので。

教室にいると、クラスのみんながあたしを見てすでに浮いちゃってる。
廊下を歩くとみんながジロジロあたしを見る。


前からこの外見でジロジロ見られる事はあった。
でも今度は違う。
みんなあたしを軽蔑の目で見てる。


「宮川って平気で友達の好きな人とっちゃうんだって」
「今まで何度も親友の彼氏とってきたらしいよ」


根も葉もない噂にも慣れてたはずだけど。

今度はキツかった。


いつもだったら周りに「あんな噂信じないよ!」って言ってくれる友達がいたのに。
いまではいないからかな?


この教室の中には誰1人、あたしのことを信じてくれる人はいないと思う。

だから「違う」とか言わない。

「そんなの噂だよ」なんて言っても誰も信じてはくれない。わかってるから。


この派手な外見だから、そんな風に見られてもおかしくない。

今までだってそんな風に見られて悪口だって言われてたんだもん。


こんな外見で生まれてきたのが最悪だったんだ。


次の授業、サボろ。

あたしはだるい体を動かして屋上までいった。

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