Kissシリーズ・「電車でのキス」
わたしの腕を引っ張った人の腕の中に…いる。

「ごっゴメンなさい!」

わたしは慌てて離れた。

見知らぬ男子学生が、驚いた表情をしている。

「あっ、こっちこそゴメン…」

「うっううん。間に合ったから…。ありがとう」

ぺこっと頭を下げて、わたしはイスに座った。

人気が少なくて良かったぁ。

「ふぅ…」

一息つくと、さっきの彼の方に視線を向ける。

彼はわたしとは向かい側のイスに座った。

あの制服は知っている。

わたしの高校は3つ先の駅にあって、彼のはそこからまた2つ先の高校だ。

ネクタイの色からして、同じ1年生だろう。

< 2 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop