ジュエリーボックスの中のあたし
「俺、剛だよ。おはよう。」
とても陽気な声だった。
「今日出勤前にデートできることはわかってんだけど待ちきれなくて。声だけでも聞きたくて。」
剛さんはお客様だけど、あたしに本気で好意を寄せている。そういう客も少なくない。
そうよ。今日同伴出勤じゃない。
やっぱりあたしは帰らなきゃ。
さっきまでのあたしはどうかしてたのよ。
こんな怪しいやつのそばにいたいなんて。今すぐここをでて支度しなくちゃ。
あたしも楽しみにしています。そう言おうと思ったがそれは言えずじまいだった。
まただ。突然現れた手に口を塞がれて、もう片方の手があたしの携帯を奪った。
「みさとは今日行きませんよ。俺とデートなんで。」
電話の向こうから明らかに戸惑った剛さんの声が聞こえてくる。
なによりもだれよりもあたしが戸惑っている。
手足をばたつかせてみても口から手を離そうとしてみてもびくともしない。
「んーんー」
「すいませんね。」
そう言って彼は電話を切ってしまった。
とても陽気な声だった。
「今日出勤前にデートできることはわかってんだけど待ちきれなくて。声だけでも聞きたくて。」
剛さんはお客様だけど、あたしに本気で好意を寄せている。そういう客も少なくない。
そうよ。今日同伴出勤じゃない。
やっぱりあたしは帰らなきゃ。
さっきまでのあたしはどうかしてたのよ。
こんな怪しいやつのそばにいたいなんて。今すぐここをでて支度しなくちゃ。
あたしも楽しみにしています。そう言おうと思ったがそれは言えずじまいだった。
まただ。突然現れた手に口を塞がれて、もう片方の手があたしの携帯を奪った。
「みさとは今日行きませんよ。俺とデートなんで。」
電話の向こうから明らかに戸惑った剛さんの声が聞こえてくる。
なによりもだれよりもあたしが戸惑っている。
手足をばたつかせてみても口から手を離そうとしてみてもびくともしない。
「んーんー」
「すいませんね。」
そう言って彼は電話を切ってしまった。