ジュエリーボックスの中のあたし
次の日、朝からあたしのマンションに向かうつもりが寝坊してしまい、結局昼すぎに到着。



ダラダラ荷物整理に取りかかった。



必要なものとそうでないものをわける作業は思いのほか大変で、ユキが来るまでにかなり時間が余るだろうというあたしの予想は外れた。



いくらあたしの部屋にものが少ないといっても、整理を進めるにつれいろいろなものが出てきた。


たぶん引っ越し作業に時間が掛からない部屋なんてユキの部屋くらいだろう。



ふとそう思ってあたしは身震いした。



やっぱりこの家具も荷物もユキの部屋におこう。


あんなガランとした部屋に住んでいたらいつかいなくなってしまいそうで、それがあたしは死ぬほど怖い。



少しでもあの部屋にものを増やそう。





ダラダラと作業しているうちに、いつの間にか外は暗くなっていた。
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