ローソ
「くくくくドイツもよわ・・・?」  


香奈美の目から涙が滴り落ちた。

「っふ・・・めでてぇなあ・・・」

香奈美は泣きながら孝介を抱え、さっきサーベルタイガーを落とした海の中へ放り込んだ。  














「孝介ぇーーーーーー」  

郁也がテレビに顔をくっつけ叫ぶ。みんなは郁也から視線をそらした。  

郁也の叫び声が消え、また沈黙が続く。

と・・壁に顔を向け、上を向いていた勇馬が口を開けた。  

「俺らさ?」

だれも勇馬に視線を送る者はいない。

「何で冷静にいられんのかな・・はは・・・俺、よく死ねとかいっちまってっけど、死ぬってさ・・・やべぇくれーの単位じゃねーんだな?この世から居なくなっちまうもんな。一生会えなくなっちまうんだよな。なのに・・・なのに・・・」  

勇馬の鼻をすする音が聞こえる。床にぽたぽたと液体がこぼれる。

「孝介・真紀子・敬史・井々田・小吉・マツ・健・由梨・龍・川村・いぶき・仁・光・・・しんじまったのか・・?心配なんだけどさ?悲しいんだけどさ?なんなんだろう。次は自分なんじゃないかって言う怖さ・・最悪だな・・俺ってダチじゃなくて自分ばっか」

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