【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
教室へついたのは、ちょうど休み時間。
その後の授業を受けつつも、内心いつヒロシ先生が来るかとハラハラした。
でもちょっと思考が止まると、秋月会長の腕を思い出して、上の空になってしまう。
授業がいつ終わっていつ始まったのかもわからない状態だったから、友人たちに話しかけられただろうけど、全く気付かなかった。
もしかしたら受け答えくらいはしてたのかもしれないけど、それすら記憶が曖昧だ。
先生に呼び出されることもないまま、午前中の授業を終えて昼休み。
校内放送で、ヒロシ先生から秋月会長に呼び出しがかかり、名前が流れた瞬間にドキッとした。
私も呼ばれるかもという危惧より、秋月会長の名前に対して反応したことに、心臓がおさまらない。
私の名前がなかったのはたぶん、ヒロシ先生が私のことをよく覚えてなかったからだろう。
あれほどナツキに連呼されてたのに、奇跡だ。
そのぶん秋月会長は、みっちり怒られるかもしれないけど……
それを予見して秋月会長は「責任を感じる必要はない」と言ったんだろう。
気付いたら私は、ヒロシ先生が呼び出し放送で指定したところへと向かっていた。