【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
校舎に囲まれた中庭から、昇降口へ向かう扉を開ようとしたその時、
「ユキト」
という声と共に、扉が勢いよく私に激突した。
鈍い音がして、額に激痛が走る。
声も出ないで頭を抱えてその場に座り込んだ私に、
後ろから「大丈夫?」という声が聞こえた。
告白して振られた直後、
しかも好きな人にこんなとこを見られるなんて、と羞恥に歪んだのは一瞬で、
気付いたときにはグイと腕を掴まれて、
「保健室行くぞ」
という声が私の頭上からふりそそぎ。
私の体はふわりと宙に浮いていた。
それが扉を開けた人が私を抱えているからだとわかったときには、
既に昇降口脇の保健室前に着いていた。