金魚玉の壊しかた



夏の虫が、いっせいに鳴き止んだ。



「許さない」



私は両手に全身の力をかけて──



夏の夜に落ちた寂寞たる沈黙の中で、
びいどろのような愛おしい緑色の瞳は、閉じられることなく私を映し続けていた。



< 217 / 250 >

この作品をシェア

pagetop