未来のない優しさ
『野崎さん』
とカウンターから呼ばれて、踊る鼓動を感じながら近づくと
『受理証です』
毎日の慣れた業務のようにあっさりと渡された用紙。
手の平に収まるほどの小さい紙切れ。
「ありがとう」
そう呟いてその場を離れた。
役所から出て。
手の中にある紙をじっと見つめる。
いくつか並ぶ項目の一つ。
婚姻届の欄にチェックが入っていて、胸が熱くなる。
法律的にももう柚は俺のもの…。
この先起こるあらゆる事に二人寄り添って受け入れていく権利が生まれた。
もう『家族じゃない』っていう理由で引き離される事もない。
ふっと大きく息を吐いて、空を見上げると。
柚を失った後に絶望的にモノクロの色として眺めていた太陽が、ようやく暖かいもの…彩り鮮やかなものに見えた…。
とカウンターから呼ばれて、踊る鼓動を感じながら近づくと
『受理証です』
毎日の慣れた業務のようにあっさりと渡された用紙。
手の平に収まるほどの小さい紙切れ。
「ありがとう」
そう呟いてその場を離れた。
役所から出て。
手の中にある紙をじっと見つめる。
いくつか並ぶ項目の一つ。
婚姻届の欄にチェックが入っていて、胸が熱くなる。
法律的にももう柚は俺のもの…。
この先起こるあらゆる事に二人寄り添って受け入れていく権利が生まれた。
もう『家族じゃない』っていう理由で引き離される事もない。
ふっと大きく息を吐いて、空を見上げると。
柚を失った後に絶望的にモノクロの色として眺めていた太陽が、ようやく暖かいもの…彩り鮮やかなものに見えた…。